烏山城跡(国指定史跡)

烏山城は、応永24年(1417年)沢村五郎資重が築城したといわれており、以降明治の版籍奉還まで歴代城主の居城として威容を誇りました。

この城は複郭式の山城で、主要部は古本丸、本丸(二の丸)、北城、中城、西城の五つの城と若狭曲輪、常磐曲輪、大野曲輪の三つの郭で構成されていることから五城三郭と称されています。

城跡には老杉が残り、築城時の石垣、空堀、土塁などの遺構が比較的良好な状態で現存し、往時をしのばせています。

烏山城跡

烏山城は、町の中心より北西に位置する八高山(206m)に築かれた山城で、山の形が牛の寝ている姿に似ていることから、別名臥牛城-がぎゅうじょう-とも呼ばれています。古記録、系譜等によりますと、沢村五郎資重-さわむらごろうすけしげ-(下那須氏)が兄の那須資之-なすすけゆき-(上那須氏)と不仲となり、本拠の城を追われ稲積城に移り、応永-おうえい-25年(1418年)に現在の地に城を築き新たな拠点としたのが始まりとされています。

以後、下那須氏の本拠となり、永正-えいしょう-13年(1516年)の上下那須氏の統一から天正-てんしょう-18年(1590年)那須氏の改易まで那須宗家の居城となりました。その後、織田・成田・松下・堀・板倉・那須・永井・幕府代官・稲垣氏と短期間のうちに城主が交替しましたが、享保-きょうほう-10年(1725年)大久保常春-おおくぼつねはる-入封の後は、大久保氏が8代140余年にわたり城主となり、明治-めいじ-2年(1869年)の版籍奉還-はんせきほうかん-とともに廃城となりました。

城域は、東西約370m、南北約510m、面積約88haに及ぶ広大なもので、五城三郭とよばれる主要部分からなり、防御施設として空堀・竪堀・堀切り・土塁等が設けられ、本丸周辺には石垣も築かれています。また、万治-まんじ-2年(1658年)時の城主堀親昌-ほりちかまさ-により城の東山麓に新たな居館(三の丸)が築かれ、以後、城主の居住地はそちらに移ることとなりました。

現在、城跡は杉林に覆われていますが、空堀・土塁・石垣などの各遺構が良好な状態で現存し、また、八雲神社北側から毘沙門山・城山に至る遊歩道が整備されていますので、城跡を見学しながら周辺を散策することもできます。(約1時間程度)

烏山城 旧跡まっぷ

烏山城ゆかりの旧跡をのんびり散策!

烏山城跡の歴史

烏山城は応永25年(1418年)、那須一族の沢村五郎資重(さわむらごろうすけしげ)によって築城されたと言われています。
それ以後、天正18年(1590年)に当主那須資晴 (なすすけはる)が、小田原遅参を理由に豊臣秀吉によって改易されるまで那須氏の居城となりました。
その後、織田氏、成田氏、松下氏、堀氏、板倉氏、那須氏、永井氏、 稲垣氏と頻繁に城主の交代が行われ、万治2年(1659年)、時の城主であった堀親昌によって、城の東山麓に新たな居館(三の丸)が築かれ、以後の藩政機能はこちらに移ることになりました。
享保10年(1725年)譜代大名の大久保常春(おおくぼつねはる)が江州(滋賀県)より移封され、その後八代、約140年にわたって大久保氏が城主になり、城は明治を迎え廃城となりました。

地元では八高山(標高206m)と呼ばれる喜連川丘陵の一支脈である独立丘陵頂部を中心として築かれた、連郭式の山城です。東西に約350m、南北に約600mの範囲に五城三郭(本丸、古本丸、中城、北城、西城、常盤曲輪、若狭曲輪、大野曲輪)と呼ばれる曲輪群が存在しています。本丸、古本丸と市街地との比高は約100mあり、曲輪群の周囲には竪堀、横堀、堀切、土塁などが設けられ、本丸周辺には石垣を築くなど堅固な城砦を形成しています。

立地は、東側は大きく蛇行を繰り返し南流する那珂川、西側は江川、南側は那珂川と江川、荒川の3河川が合流する氾濫原、北側は大小の谷が複雑にいりくむ丘陵地帯と那珂川の蛇行によって形成された狭地となっています。周囲の地形も巧みに利用した要害の地を選んで築城したものと考えられています。

COCOAR2  をイストールして、パンフレットの表面にある烏山城にかざすと動画が現れます。

城郭用語解説

山城(やまじろ)地形を利用して、独立した山や丘陵などに築かれた城郭のこと。
曲輪(くるわ)堀や石垣などに守られた、城郭や館の内部の一区画。郭ともいう。
土塁(どるい)曲輪の周囲などに土を盛り上げ、敵の攻撃から城を防御するもの。
空堀(からぼり)水のない堀のこと。中世城郭では一般的に空堀を使用した。
矢狭間(やはざま)堀や建物の外壁などに設けられた、矢や鉄砲を発射するための小窓のこと。
横矢掛(よこやがけ)城壁や土塁を屈折させ、二方向以上から敵へ射撃ができるようにした城の構造のこと。また、その攻撃のこと。
桝形(ますがた)城の出入口の防御施設のこと。多くの場合、城門を二重に設け、その間を石垣や土塁などで囲んだ広い空間を指す。
櫓門(やぐらもん)門の上に建物がある城門のこと。二階門、楼門とも呼ばれる。
普請(ふしん)城郭の築城や復旧のために行われる土木工事のこと。
御殿(ごてん)城主の邸宅のこと。中世では城外に作ることが多かったが、戦国期になると危険ために城内に建造するようになった。
礎石(そせき)建物を建てる際、柱などを置くために地面に固定された大型の石。主に瓦葺きなどの重量がある建物を作る場面に用いられる。

烏山城にまつわる民話

「野州 からす山の民話 第一・二集」より、「烏山城」をキーワードに民話を集めてみました。
民話を読んでから烏山城を散策するのも楽しいかも...。

  • ( )内は、その民話に出てくる地名等です。
  • 参考文献:烏山観光協会発行
    「からす山の民話」・・・昭和48年7月15日発行(非売品)
    「からす山の民話 第二集」・・・昭和50年12月20日発行(非売品)
  • 文書は、発行当時(昭和48年~50年)の文章を変えずに掲載しています。
  • 烏山のお城造りと町名のおこり(興野・稲積城・平群山)
  • お城を救った牛と蛭(ひる)(釜ヶ入・清水川)
  • 銅が淵の伝説(滝・ 熊田・月次・森田・神長・極楽寺)
  • お城をもちあげた大亀 ( 稲積城・大桶・八ヶ平・滝田・霧ヶ沢)
  • 千足峠のお話し(上境・下境)
  • 霧が沢合戦と烏山城( 下境・上境)
  • 佐渡柄杓(寿亀山神社)
  • 枕がえし(天性寺)
  • 蛇姫様
  • 治部内山の合戦 (神長)

烏山城跡へのアクセス

那須烏山市へのアクセス

電車でのアクセス
宇都宮方面から宇都宮駅 ⇒ (JR宇都宮線・烏山線 51分) ⇒ 烏山駅
那須方面から黒磯駅 ⇒ (JR宇都宮線 40分) ⇒ 宝積寺駅 ⇒ (JR烏山線 35分) ⇒ 烏山駅
東京から東京駅 ⇒ (JR東北新幹線 53分) ⇒ 宇都宮駅 ⇒ (JR宇都宮線・烏山線 51分) ⇒ 烏山駅
水戸から水戸駅 ⇒ (JR常磐線 15分) ⇒ 友部駅 ⇒ (JR水戸線 1時間5分) ⇒ 小山駅 ⇒ (JR宇都宮線 28分) ⇒ 宇都宮駅 ⇒ (JR宇都宮線・烏山線 51分) ⇒ 烏山駅
お車でのアクセス
宇都宮方面から宇都宮上三川IC ⇒ (国道4号・県道64号など 約34km) ⇒ 那須烏山市
那須方面から那須IC ⇒ (東北自動車道 約32km) ⇒ 矢板IC ⇒ (県道74・25号など 約21km) ⇒ 那須烏山市
東京から川口JCT ⇒ (東北自動車道と北関東自動車道 約93km) ⇒ 宇都宮上三川IC ⇒ (国道4号・県道64号など 約34km) ⇒ 那須烏山市
水戸から那珂IC ⇒ 県道65号・国道118・293号など 約52km) ⇒ 那須烏山市

烏山城跡へのアクセス

JR烏山線烏山駅下車…徒歩15分(車5分)  ※城跡の麓まで

お願いと注意事項

  • 烏山城跡は個人所有の土地です。ご好意により使用させていただいておりますので、荒らしたりするなどの行為は控えてください。
  • 夏場は蚊や蜂、蛇と出会える機会が増えます。ご注意願います。
  • 各歩道の整備は仮設的なものです。特に釜ヶ入口からの歩道にはぬかるみが、十二曲の歩道には崖崩れの跡があります。
    足元に注意のうえ散策をお楽しみください。
  • まちなか観光コースの地図上において「6郷土資料館」、「地方法務局烏山支局」、「烏山消防署」は廃館、移転等により現存しておりませんのでご注意願います。

烏山城関連商品の販売

生涯学習課では、烏山城に関連した商品を取り扱っています。
購入を希望される方は、那須烏山市役所南那須庁舎2階の生涯学習課窓口でお買い求めください。
(※山あげ会館でも購入することができます。)

ご不明な点がありましたら生涯学習課までご連絡願います。
(電話:0287-88-6224 FAX:0287-88-2027)

クリアファイル No1

国立国会図書館 蔵
日本古城絵図東山道之部

野州烏山城絵図(部分) 100円(税込)

この絵図は「日本古城絵図」に収蔵されているもので、元禄16(1703)年から享保10(1725)年の間、烏山藩主であった稲垣家旧蔵の1枚です。
万治2(1659)年、時の藩主堀親昌によって東山麓に新たに通称「三の丸」が築かれ、藩政機能が移った後の様子が描かれています。 

クリアファイル No2

国立国会図書館 蔵
日本古城絵図東山道之部

野州烏山城絵図(部分) 100円(税込)

この絵図は「日本古城絵図」に収蔵されているもので、烏山城主稲垣家旧蔵の「野州烏山絵図」2種類のうちの1枚です。
本丸を中心に東側の曲輪群が白い土塀で囲まれているのに対し、西側の曲輪群は一が省略されて描かれるなど明らかな差が見られます。 

※各商品の詳細はこちらの生涯学習課のページをご参照ください。

お問い合わせ先

生涯学習課

南那須庁舎2階(〒321-0595 那須烏山市大金240)
電話番号:0287-88-6223  Fax:0287-88-2027
E-mail:shohgaigakushu@city.nasukarasuyama.lg.jp

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